ChatGPTでテキスト分類！無料機能プロンプトテンプレート

ChatGPTの無料機能を利用してテキストを分類し、表出力する方法を紹介しています。
有料機能を用いたより本格的な手法として ChatGPTでテキスト分類！10分で可視化・資料作成まで！ も公開中です。

はじめに

事務作業は多くの仕事において避けて通れないものであり、特にテキストの処理と整理は重要な役割を果たしています。

例えば・・店舗を持つ事業であれば顧客の声を集めたり、商社や仕入先との関係が重要であればフィードバックを貰ったり。新しい事業などを行う際に従業員からの意見を整理したりする際には、膨大な量のテキストデータを扱う必要があります。これ以外にもメール対応や日々の会話内容を分類したりそこから共通項を見つけ出すような作業に私たちは多くの労力を割いています。

これを自動化する技術はすでに実現されていますが知識やコストを必要とするため結局手作業で行われているのは実情ではないでしょうか。

2022年11月に発表されたChatGPTによって、限定的ですが手軽にテキスト分類の自動化を実現できます。この記事では、ChatGPTを利用してテキスト分類を行う方法について紹介します。

なお、そもそもChatGPTって何？どうやって導入するの？という方は以下の記事を参照ください。

ChatGPT・BingAIとの遭遇記録

テキスト分類とは

テキスト分類とは、複数テキストを事前にカテゴリに分けるプロセスのことを指します。これにより、大量のテキストデータから有用な情報を効率的に抽出し、整理することが可能になります。

想像してみてください。あなたはとあるアパレルブランドの責任者です。お客様から毎日何十件のアンケート回答がありますが、これを順々に読んでいくのは大変です。
しかし、あらかじめAIがこれを内容のまとまりごとに分類してくれていたらどうでしょう。
同じ量の情報をあなたが処理するにしてもその作業はぐっと楽になるはずです。また特定の回答テーマの多い少ないを見ることで、お客様の関心ごとに気付くきっかけになるかもしれません。

このようにテキスト分類は業務の効率化と質の向上に大きく寄与します。

ChatGPTによるテキスト分類のメリットと限界

ChatGPTは汎用性が高く、無料で利用できます。何より対話間隔で直感的に使えるのが強みです。
テキスト分類を手作業で行われている方でも、本記事で紹介するコツを踏まえた上でChatGPTを利用することで、簡単かつ迅速に行うことができます。

なお本記事で紹介している手法には制約があります。
ざっくりですが、実用に値するデータ量は～数百件程度かと思われます。

実践！ChatGPTを使ったテキスト分類の手順

入力データの準備

分類したいテキストデータを準備します。これはメール、ドキュメント、フィードバックフォームの回答など、さまざまな形式である可能性がありますが、基本的にはChatGPTにコピペできるものであれば何でも大丈夫です。

もし分類対象が短いインタビュー集などであれば、文字起こしすることによってテキスト分類にも応用できます。この辺の応用は書きはじめるとキリがないので今回はここまでにします。

テキスト分類のプロンプトテンプレート

ChatGPTにテキストデータを入力し、分類を依頼します。
プロンプトは次の通りです。

【指示】
後述のテキスト一覧は百貨店のカスタマーサービスに届けられた「お客様の声」集です。
改行ごとに1件のテキストです。
これについて、次のステップで処理を行ない、類似するものに分類してください。
P1:各テキストから共通的に確認できる趣旨5つを挙げてください。
P2:P1で挙げた各趣旨をもとにテキストを分類してください。
P3:P2の結果を表形式で再出力して下さい。テキストは１件あたり１行で出力してください。以下は出力例です。

| 分類 | テキスト |
| —- | —- |
| 哺乳類 | 犬 |
| | 猫 |
| 爬虫類 | トカゲ |
| 鳥類 | カラス |

【テキスト一覧】
最近の商品ラインナップが素晴らしいです。トレンドに合ったアイテムがたくさんあります。
店内の雰囲気が心地よく、ショッピングが楽しいです。
最近の配送サービスが遅くて不便です。商品が届くのに時間がかかりすぎます。
スタッフの対応が親切で、いつも気持ちよく買い物ができます。
セールの際にはもう少し在庫を増やしてほしいです。人気商品がすぐに売り切れてしまいます。
もっと大きいサイズのアパレル商品を取り扱ってほしいです。
商品の価格が高すぎて、もう少しリーズナブルな価格帯も欲しいです。
店内のレイアウトを改善して、商品が見つけやすくなると嬉しいです。
クレジットカード支払いのオプションを増やしてください。
商品の品質にこだわってほしいです。一部の商品がすぐにほつれてしまいます。
店内の温度を調整して、快適なショッピング環境を提供してほしいです。
オンラインショッピングのサイトが使いやすいです。
前回の購入時に商品が不足していました。在庫管理に問題があるようです。
スタッフの一部の態度が悪く、不快な思いをしました。
オンラインショッピングの際にエラーが頻繁に発生し、ストレスを感じます。

簡単に指示内容を説明します。

後述のテキスト一覧は百貨店のカスタマーサービスに届けられた「お客様の声」集です。
改行ごとに1件のテキストです。
これについて、次のステップで処理を行ない、類似するものに分類してください。

ここでは指示の概要を説明しています。
これによって大枠の方針をChatGPTに与えます。

P1:各テキストから共通的に確認できる趣旨5つを挙げてください。
P2:P1で挙げた各趣旨をもとにテキストを分類してください。
P3:P2の結果を表形式で再出力して下さい。テキストは１件あたり１行で出力してください。以下は出力例です。

| 分類 | テキスト |
| —- | —- |
| 哺乳類 | 犬 |
| | 猫 |
| 爬虫類 | トカゲ |
| 鳥類 | カラス |

ここでは具体的な指示をだしています。
お客様の声から共通化できるようなテーマを5つ設定してもらい、これをもとに分類を行ないます。
分類結果は表の形で出力されるようにしています。

結果の分析と調整

以上のプロンプトに対するChatGPTの回答は以下の通りでした。

概ね悪くない結果になりました。
あとは表の部分をExcelにコピペして集計したり、Wordに張り付けて読み込んでみたり煮るなり焼くなりです。

・・が、首を傾げるものもあります。
例えばスタッフ評価はショッピング体験に含まれるのが適当かもしれません。
このような分類ばらつきは人が実行しても起こるもの。とはいえ、ChatGPTならちょっとした指示で簡単に修正してくれます

mina：

ありがとうございます。分類「ショッピング体験」と「スタッフ評価」を統合して再度P2以降を実行して頂けますでしょうか。

よくできました。

注意点とテクニック

思い通りの結果が出ないとき

実際プロンプトを送ると次のような結果が出ることがあります。

・分類時にテキストが何件か無視される。
・表が意図した体裁でない（分類ごとに並び替えされないなど）。
・分類方法が気に食わない

再現性のあるプロンプトを目指したつもりですが、仕組上結果に振れが出るのは仕方ないようです（tempertureを弄るとかで詰められそうだがややこしい話は一旦なし）。
こういった場合は修正指示を追加で送るか、結果を再生成しましょう。

大量のテキストを扱いたい場合

ChatGPTは一度に送れる分量が制限されますので、大量のテキストを分類するには限界があります。

千件超のデータを扱う場合は次の記事で紹介している手法を取るのが賢明でしょう。

ChatGPTでテキスト分類！10分で可視化・資料作成まで！ Advanced Data Analysis（旧Code Interpreter）

飽くまでChatGPTで処理できそうな分量であれば、テキストを追加的に送り込むことで対応できる場合があります。以下はそのやり取りの例です。

mina：

ありがとうございます。同様の分類に基づき、次のテキストも追加で分類してもらえますか。

最新のファッションアイテムが充実しており、店内の雰囲気も素晴らしかったです。
スタッフの対応が親切で、ショッピングが楽しい時間になりました。
セール品の品揃えが豊富で、お得感がありました。
試着室が清潔で、プライバシーが守られていて快適でした。
オンラインストアと連携して在庫確認ができるようになると便利ですね。
もっとプラスサイズの服の品揃えを増やしてほしいです。
子供服のコーナーをもっと広げてほしいです。
店内の案内マップがわかりやすくなると助かります。
商品の価格表示をより明瞭にしてほしいです。
店内のエレベーターやエスカレーターの動作がスムーズでないことがあります。改善してほしいです。
購入した商品が破損していたのに気づいたとき、スタッフの対応が遅かったです。
オンライン注文の配送が遅延し、特に連絡がなかったのは不満です。
試着室の待ち時間が非常に長かったです。
クレジットカード決済の際、エラーが発生しました。支払いプロセスをスムーズにしてほしいです。
商品の品質が思ったよりも低かったです。
店内の温度が寒すぎて快適にショッピングできませんでした。
店内のレイアウトが混乱しており、商品が見つけにくかったです。
クーポンが適用されなかったため、支払いが高くついてしまいました。
スタッフの態度が不愉快で、対応に不満がありました。
返品手続きが煩雑で時間がかかりました。もっと効率的に行えるようにしてほしいです。

まとめと次のステップ

この記事を通じて、ChatGPTを利用したテキスト分類の方法とそのメリット・注意点を理解していただけたと思います。

実際に試してみることで、仕事の効率化や生産性の向上につながることでしょう。
また、この手法は資料作成など、他の用途にも応用することが可能です。次のステップとして、自分の業務に合わせたカスタマイズを試してみるとよいでしょう。

ChatGPTの汎用性は高く、応用可能性は限りなく大きいです。
この記事を読んだ皆様がこれを役立てて、生産性向上と創造性の発揮に役立てて頂けることを期待します。

また、当方は中小企業診断士として中小企業や個人事業主の方の支援を行っております。
社内データの解析と活用、ChatGPTの活用、Webマーケティング等の相談事がありましたら、ContactかTwitterよりお気軽にお問合せ下さい。