AIエージェントとは?AIワークフローとは?

「AIエージェント」や「AIワークフロー」。ニュースやセミナーの案内で毎日のように見かけるのに、いざ「で、うちの会社で何をどうすればいいの?」と聞かれると答えられない。本記事は、まさにそんな状態にある経営者・担当者のための記事です。

AIエージェントとは?AIワークフローとは?

結論:AIワークフローは「あらかじめ決めた手順どおりにAIへ仕事をさせる仕組み」、AIエージェントは「目標だけ渡せばAIが手順まで自分で考えて動く仕組み」です。

この2つを考えるにあたり、一般的な対話型AIを「AIチャット」として位置付けて、違いを考えていきたいと思います。

AIチャットは、人間の指示(プロンプト)に応じて、文章・画像・音声などを“その場で作って返す”応答型のAIですね。 ChatGPTやGemini、Claudeが代表例です。

AIチャットのポイントは「応答型」という点です。あなたが質問すれば答える、文章を頼めば書く。とても賢いですが、基本は1回の指示に対して1回の返答で完結します。「言われたことに答える、優秀なアシスタント」とイメージしてください。

ここまでは多くの方が日常的に使っています。問題はその先です。AIチャットに慣れてくると、一連の作業を自動化したいと考えるようになります。

例えば、AIを使ってレポートを作るにしても、次のような作業工程があります。

  • ①AIチャットに尋ねる
  • ②聞いた内容をウェブ検索でファクトチェックする
  • ③事実確認が取れた情報を別途集約し、最終的にWordのレポートにまとめる

こうした作業を何件もやるとなると、一連の流れを自動化したいと考えるようになるはずです。そのための手段が、AIエージェントとAIワークフローです。

AIエージェントとAIワークフローは、AIチャットを含む一連の作業ステップを丸ごと自動化する技術です。そしてこの2つの間には、AIにどこまで自分で判断させるかという点で違いがあります。

  • AIワークフロー(下図左)は「あらかじめ決めた手順どおりにAIへ仕事をさせる仕組み」
  • AIエージェント(下図右)は「目標だけ渡せばAIが手順まで自分で考えて動く仕組み」

なのです。以下、それぞれを具体的に見ていきます。

AIワークフローとは?「決めた手順どおりにAIを働かせる」仕組み

結論:AIワークフローとは、複数の処理をあらかじめ決めた順番でつなぎ、AIにその流れどおり自動で仕事をさせる仕組みです。Difyのようなサービスを利用すれば、ノンプログラミングで作成することができます。

さきほどのレポート作成作業例では、①~③のステップが必要だと述べました。これに対して、AIワークフローはいくつかのAIを連結することで、次のように一連の作業を自動化します。

  • ①AIがユーザーの質問を受けて回答を考える
  • ②別のAIが、①の結果をWeb検索によって検証し、事実確認が取れた内容をまとめる
  • ③さらに別のAIが、②の情報を統合してレポートを作成する

「これぐらいなら、チャットAIで指示を投げてもやってくれるじゃないか」と思われるかもしれませんが、上記のようなワークフローを組むメリットは明確に存在します。

まず大前提として、同じチャット窓で回答とそのファクトチェックまでを行わせると、ハルシネーションが起こるリスクが高まります。これを回避するため、AIに作業させるときは作業の性質に応じてチャット窓を変更する(コンテキストをリセットする)のがセオリーです。AIワークフローでは、最初から複数のAIに作業を分担させることでこのリスクを回避できます。

ワークフローは、カスタマイズやループ処理が可能な点もメリットです。例えば、上のワークフローの最後に、提携書式のWordファイル出力ステップを設けることもできます。冒頭にアイデア出しAIを配置し、出てきたアイデアの数だけ作業をループ処理させるといったことも出来ます。

このように、ある程度定型化できる作業を、安定して、素早く実行する上で、AIワークフローはとても便利な仕組みです。

AIエージェントとは?「目標だけ渡せば、手順はAIが考える」仕組み

結論:AIエージェントとは、人から与えられた目的を起点に、必要な手順を“自分で計画”し、外部のツールも使いながら自律的に実行するAIです。

広義ではチャットAIの推論モードやDeep Research、Manusなど、クラウドを介して稼働するAIサービスもエージェントと呼ばれますが、2026年6月現在、特に話題なのは、ローカルPCで稼働するClaude Cowork/CodeやCodexのようなサービスです。本記事でもこれを念頭に解説します。

先項で紹介したAIワークフローは、予め定められた作業ステップをなぞるのに対し、AIエージェントはステップの過程で条件判定を行い、必要に応じて新たなステップを追加したり、外部のツールを参照したりします。

先のレポート作成の例でいうと、AIエージェントは③レポート作成にあたり「図表が必要」と判断したなら、新たなステップ③-a)として「コード実行をして図表作成を行わせる」といったことを行ったのち、成果物をもとに③レポート作成を継続します。

AIワークフローと比較したとき、AIエージェントの特徴は以下の通りです。

  • 柔軟性が高い:想定外の状況にも、自分で考えて対応しようとする。
  • その分、予測しにくい:自由度が高いぶん「思わぬ動き」をする可能性がある。
  • 設計と監督が重要:2026年現在、多くの企業は重要な操作の前に 人間の承認ステップ(Human-in-the-loop) を入れて運用しています。

AIエージェントはAIワークフローよりも柔軟ですが、技術的にはまだ安定性に難があるため、実務の性質に応じた扱い分けが必要です。

筆者も大量の文書を読み込んで、定型的に情報を抽出するようなタスクについては、DifyでAIワークフローを組みます。Googleのトレンド情報などを踏まえたWebコンテンツのアイデア出しのように、非定型的なタスクにおいてはAIエージェント(Claude Cowork)の力を借りています。

AIワークフローとAIエージェントの違いまとめ

ここまでを一枚の表に整理します。検索で多い「AIワークフロー AIエージェント 違い」「aiエージェント 生成ai 違い」への答えがこれです。

観点チャットAIAIワークフローAIエージェント
ひとことで言うと聞けば答える手順どおり動く目標から自分で段取る
動き方1指示→1応答決めた流れを自動実行自分で計画して実行
自由度・柔軟性
予測しやすさ低(要監督)
導入の難易度中~高。構築難度は高いものの、Claude Coworkなど既製サービスも出てきている。
たとえ優秀なアシスタントレシピ通りの調理献立から任せる料理人

どちらから始めるべき?

結論:Claude CoworkなどのAIエージェントを触り始めつつ、実務上の要請に応じてAIワークフローを組めるようにしておきたいです。

AIエージェントは今後さらに発展する可能性のある技術であり、今のうちからその挙動を肌で知っておくことは有益です。

一方で、目先の実務上の課題解決には、AIワークフローの方が適していると感じることがあります。例えば、紙の文章をもとに必要な情報をデジタル処理したり、営業の見積や契約書といった実務資料を、特定の観点で毎回同じ品質でチェックさせたり。どんな会社でもありがちな実務課題に対し、安定的かつ即効性のある対処をしてくれるのはAIワークフローです。

AIワークフローとAIエージェントの始め方

AIワークフローの始め方

AIワークフローを作成するうえで最適なツールが、ノーコードのAIアプリ開発プラットフォーム 「Dify」です。

Difyは、画面上で処理ブロックをドラッグ&ドロップでつないでいくだけで、AIワークフローやAIエージェント、社内文書を参照するチャットボットまで作れるツールです。世界中で使われており、分野の代表的存在になっています。

Difyにアクセスし、右上の「Get started」からアカウント作成することで開始できます。

無料プラン(Sandbox)ではお試しいただけます。アプリを最大5個までしか保持できませんが、機能面では不足なく利用可能です(2026年6月現在)。

「スタジオ」メニューを開き、「アプリを作成する」からワークフロー開発を始めます。

開発は以下のように、作業ブロックを配置していく要領で行えます。

具体的な作り方は、おいおい解説記事を作成予定です。

AIエージェントの始め方

最先端のAIエージェントを体験したいのであれば、Claude Coworkを使っていただくのがよろしいでしょう(2026年現在、月額20$のProプラン以上に加入する必要あり)。

Claudeにアクセスし、「Download Claude」からデスクトップアプリをインストールできます。

インストール後は、左メニューの上側でCoworkを選択することで開始することができます。

具体的な操作方法は、おいおい解説記事を作成予定です。

まとめ:言葉の理解から、最初の一歩へ

AIエージェントとは?AIワークフローとは? 改めてまとめると次の通りです。

  • AIチャット=聞けば答える応答型のAI。
  • AIワークフロー=決めた手順どおりにAIを働かせる仕組み。実務利用の一歩に最適。
  • AIエージェント=目標から手順まで自分で考えて動く自律型。今から触っておくことを推奨。

実務導入ではAIチャットから始め、効果が望めそうな分野ではAIワークフローやAIエージェントも使っていくとよろしいかと思います。

「自社のどの業務から始めればいいか分からない」といった方に向けては、当方でも社内講習会や活用方法のご相談を承っております。まずはお気軽にご相談ください。

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